研究課題
基盤研究(C)
本研究では、糖尿病やCKDで蓄積するAGEsが末梢動脈疾患(PAD)の発症進展および治療抵抗性に強く関与するとの仮説を検証した。臨床研究においては、透析患者、特にPAD患者ではAGEsが著明に増加し、AGEsと動脈硬化指標(ABI, Agatston score)に関連するばかりでなく、明らかな大血管障害は認めないものの、AGEsの蓄積と腓腹筋における微小血管網の脱落、それに伴い筋萎縮が進展することを明らかとなった。現在、血管石灰化CKDモデルマウスを作成し、血管の石灰化およびPAD病態に如何に関与しているか検討を継続している。
本研究では、尿毒素物質であるAGEsの血管障害における役割を検討した。大血管障害に関する影響はまだ検討中ではあるが、末梢血管の内皮障害がサルコペニア・フレイルの発症に寄与していることをはじめて明らかとし、世界に先駆けて報告した。さらには、AGEsのアプタマーの治療薬としての可能性も見出している。CKDやまたサルコペニア患者で心血管病が多発し、その生命予後も不良であることはよく知られているが、本研究の知見により新たな病態があきらかとなり、また新たな治療戦略の確立にも寄与できる可能性が高く社会的意義も高いと考える。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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