研究課題/領域番号 |
18K08280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
里 史明 星薬科大学, 薬学部, 講師 (10468580)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 弾性線維 / 老化 / Wntシグナル / 皮膚線維芽細胞 / 弾性線維再生 / 加齢 / 細胞老化 / 再生 |
研究成果の概要 |
本研究では、老齢の特徴である「弾性線維の質的・量的な変化」により変動する遺伝子を網羅的に解析し、弾性線維再生を可能とする因子の特定を目指した。その結果、「弾性線維の質的・量的な変動」によって、16遺伝子の変動が認められた。その中でWntシグナルに関連する遺伝子を複数認めたことから、弾性線維形成におけるWntシグナルの関与について検討した結果、加齢により増加する内在性Wnt阻害因子DKK2が弾性線維の足場となる微細繊維の形成を抑制することが明らかとなった。一方、微細繊維の構成因子の発現には影響をしなかったことから、Wnt刺激により弾性線維形成を促進する因子が誘導される可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
弾性線維の減少は、しわやたるみ、呼吸機能の低下、血圧の上昇のみならず、動脈瘤や肺気腫などの生命が脅かされる事態を招く。これら疾患の予防・治療の有効な手段となり得るため、弾性線維の再生法の確立が望まれている。本研究から、老化に伴う弾性線維の質的・量的な変動自体が弾性線維再生を負に制御していることが明らかとなり、細胞のみならず細胞外環境の維持も生体にとって重要なことであることがわかった。また、加齢により弾性線維再生が不全となる機構として発生に重要なWntシグナルの抑制が関与することから、Wntシグナルを刺激することで組織の柔軟性を回復できる可能性が示唆された。
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