研究課題
基盤研究(C)
本研究では、アルボウイルスの中で血清学的に交差反応がある事が知られているフラビウイルス科の黄熱ウイルスおよびデングウイルス間の鑑別診断を目指してIgMおよびIgG検出エピトープブロッキングELISAの開発を目指した。その結果、IgG検出系においては黄熱ワクチン接種者の血清を有意に検出できた。IgM検出系については、黄熱に自然感染した患者血清が研究期間中に入手できなかったため本検出系が有効に機能するか否か検証できなかった。
本研究の学術的意義は、黄熱とデング熱といった同じウイルス科に属し血清交差反応を示すフラビウイルス感染症が共に存在している地域において明確に区別を付けられることで正確な診断が可能になり、感染症流行状況の把握が出来るという点である。さらに、デング熱の場合二次感染であれば重症化し、デング出血熱やデングショック症候群にもなるため、デングウイルス感染症であるか否かの診断法の開発は社会的に大変意義のあるものである。今回は黄熱の診断ができたところで終わってしまったが、本件作法でデング熱でないことを判定できれば鑑別診断法の開発として一歩前進したことになると考える。
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Int J Environ Res Public Health.
巻: 18 号: 18 ページ: 1-14
10.3390/ijerph18189630