研究課題
基盤研究(C)
大腸がんの再発の有無は原発巣における腫瘍免疫応答の違いが考えられている。術後に再発した早期(ステージIまたはII)の大腸腫瘍症例10例に対して、マルチリージョンWESを実施した。その結果、大腸がん症例のアームレベルのCNA(倍数性)を比較したところ、再発陽性例の原発巣の方が非再発の原発巣に比べて有意に多く見られた(p < 2.2e-16)。SNVの数とアームレベルのCAN(7p、7q、20p、20q染色体)との間に逆相関があることをTCGA409例の大腸がんで明らかにした。また原発巣の比較で再発陽性(n = 40)、再発陰性(n = 232)に比べてCYTが低かった。
われわれはコピー数異常(CNA)が、原発巣における早期から進行した腫瘍へのがん進化を促進する最も重要な選択圧であることを明らかにした。進行がんにおける中立進化の過程では、がん細胞のネオアンチゲン(NAG)の減少と細胞傷害性T細胞のTCRレパトア多様性が、クローナルなCNAやいくつかのドライバー変異とともに、原発部位から再発部位への術後再発発症を規定していた。本助成をいただき明らかにした結果に基づき、転移プロセスの開始前に、転移前の部位でCTLを活性化することは、今後がんの転移を防ぐことが可能になることが期待され、医療費逓減が求められている今日、社会的意義は大きい。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (43件) (うち国際学会 7件)
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