研究課題
基盤研究(C)
神経堤細胞(Neural crest、NC)は脊椎動物の胚発生過程で神経管と表皮外胚葉との間に形成され、そこから全身に遊走し様々な細胞に分化する。NCの機能不全は神経堤症(Neurocristpathy)と呼ばれ、腫瘍の他に心臓・腸管の機能不全や発達障害・先天奇形など様々な疾患の原因となる。本研究では、神経堤症に対する細胞治療の材料としてヒト多能性幹細胞(hPSC)由来のNC作製を目的とした。さらにhPSC由来の三次元小腸オルガノイド疾患モデルを作製し、hPSC由来のNCの機能を評価する。
Hirschsprung病も神経堤症の一つで、腸管の動きを制御する腸の神経節細胞の形成不全により、生後数日の間に機能性の腸閉塞症状がみられる。また、Hirschsprung類縁疾患は同様の症状を示すが発症原因は不明であり、治療方法も確立されていない。機能的な三次元小腸オルガノイドを作製することに成功したのは今のところ世界中で本研究室のみであり、細胞治療の原材料としての神経堤細胞の評価を生体内に近い状況おこなうことでヒトに対する細胞治療の実現を加速させることが期待される点で大きな意義のある研究となる。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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