研究課題
基盤研究(C)
膵癌で発現亢進するC16orf74蛋白の機能解析を施行し、C16orf74は二量体を形成し、インテグリンと結合し、Rac1やMMP2を介して膵癌の浸潤に関与することを明らかにした。またC16orf74二量体を阻害するペプチド配列を同定し、細胞膜透過性シグナルを付加した11R-DB (dimer blocking) ペプチドを作成し、用量依存性にC16orf74の二量体阻害が観察された。この11R-DBを用いて、膵癌細胞株及びマウスモデル対する治療実験を施行し、細胞増殖抑制効果、浸潤抑制効果、腫瘍縮小効果を確認した。
学術的には、C16orf74蛋白の二量体形成がインテグリンシグナルとMMP2に関与することを示し、膵癌の浸潤・転移機構解明の一助となった。またC16orf74蛋白の二量体を特異的に阻害するペプチド配列を特定し、治療法開発の基盤となる成果を得た。今回の結果に基づき、阻害ペプチドを応用した治療薬開発のみならず、低分子化合物をスクリーニングするなど、新たな研究の起点となり、非常に予後不良な膵癌の克服に向け、社会的意義は大きい。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Mol Cancer Ther
巻: 19 号: 1 ページ: 187-198
10.1158/1535-7163.mct-19-0491