研究課題/領域番号 |
18K08854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野村 有紀 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60643955)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 若年期疼痛 / ミクログリア / c-Fos / 炎症性疼痛 / 新生児 / 疼痛 / グリア細胞 / 神経細胞 / 行動異常 / 脳発達 |
研究成果の概要 |
本研究では幼児期に与えられた疼痛刺激によって、成長後に多動性行動が生じる可能性が示唆された。また成熟後脳におけるc-Fos発現の解析から、梨状皮質領域の神経細胞の活性化を認め、幼児期疼痛刺激を受けることで、ストレス応答への変化が生じている可能性が示唆された。一方、活性化の認められた脳領域からのグリア細胞の分離が困難であり、本研究ではより広範囲の大脳皮質および脊髄から分離精製したミクログリアにおいて、活性化マーカーやサイトカインの遺伝子発現を解析したが、コントロール群と疼痛刺激群において明らかな遺伝子発現の差は認めなかった。今後は局所組織からの分離および網羅的な遺伝子解析が必要と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幼児期の疼痛刺激およびストレスは、神経発達や精神発達において有害事象を伴うことが明らかにされているが、その分子機構については不明な点が多い。本研究によって若年期の疼痛刺激が成熟期に多動性行動を示す可能性が示唆された。また、分子メカニズムの特定には至らなかったものの、梨状皮質をはじめとした、ストレス応答に関与する脳領域の神経活動の変化が認められたことから、ストレス耐性の脆弱化による行動変化が生じていた可能性が示唆される。今後は、神経活動の動態変化を含めた解析を加えることで、若年期の疼痛刺激による長期的な影響の分子メカニズムを解明する一助となる。
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