研究課題
基盤研究(C)
脳梗塞に対する血栓回収療法は有効性が証明され標準治療となった。一方、内科治療で認められない術後くも膜下出血(SAH)が散見されるようになった。本研究により、術後SAHは7.2%で発症し転帰良好と関連せず、術後SAHにはCT血管造影、穿刺-再開通時間が正に、血糖値、完全再開通が負に関連することが明らかとなった。また、年次経過でSAHを含む頭蓋内出血に有意な増減はなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行期は血栓回収療法施行数や転帰良好率は減少せず、COVID-19流行と術後SAHに関連を認めなかった。
急性期脳主幹動脈閉塞に対する血栓回収療法後のくも膜下出血の発症率、転帰への影響、関連する因子を明らかにできた。加えて、血栓回収療法全体の治療実態およびコロナ禍の影響についても明らかにすることができた。本研究の成果は、当該治療の安全性の向上および診療体制の改善に寄与すると考えられる。
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医報つくば
巻: 49 ページ: 58-66