研究課題
基盤研究(C)
子宮内膜症は疼痛と不妊症を主徴とするエストロゲン依存性の慢性炎症性疾患である.子宮内膜症の不妊原因は多岐にわたると考えられているが,卵巣予備能低下がその一因であることが推察されている.本研究では,卵巣における局所炎症と初期発育卵胞周囲の間質における蛋白発現との関連に着目して主にヒト卵巣の組織学的解析を行った.子宮内膜症では線維化の亢進と間質細胞の減少が認められ,初期発育卵胞周囲の特異的な蛋白発現に低下が認められた一方で,間質の構成基質であるフィブリリンは卵巣組織にびまん性に発現していたが,その発現変化に子宮内膜症による炎症との直接的な関連は認められなかった.
不妊に悩むカップルに有効な治療手段を提供することは,晩婚化・少子化が著しい本邦の現況と相俟って,産婦人科領域で重要な研究領域である.子宮内膜症は不妊や疼痛を主徴とする疾患で思春期から閉経期まで様々なライフステージでの女性の健康に影響を及ぼす.子宮内膜症女性では慢性的な骨盤内炎症に起因する卵巣機能低下が問題であるが,本研究では,卵巣間質に存在する初期卵胞発育における周囲間質組織の変化に着目し,細胞外基質による間質構造の維持と発育卵胞周囲の形質転換および局所炎症によるそれらの破綻が卵巣機能低下に関連することを見出し,局所の線維化の制御が卵巣機能の維持に有用な治療法になり得ることを提示した.
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