研究課題/領域番号 |
18K09447
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 誠 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80273788)
|
研究分担者 |
三木 明子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10726988)
松宮 亘 神戸大学, 医学研究科, 助教 (30707120)
楠原 仙太郎 神戸大学, 医学研究科, 講師 (40437463)
栗本 拓治 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50388815)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 網膜神経節細胞 / アクアポリン / 乳酸 / 視神経脊髄炎 / 緑内障 / アストロサイト / 暗所視閾値電位 / アクアポリン9 / モノカルボン酸輸送体 / 外傷性視神経症 / 視神経挫滅 / モノカルボキシレート輸送体 / 糖尿病網膜症 |
研究成果の概要 |
アクアポリン(AQP)9ノックアウト(KO)ならびに野生型(WT)マウスに視神経挫滅を与えた。WT網膜では網膜神経節細胞(RGC)のAQP9発現が低下した。AQP9はmonocarboxylase transporter (MCT)1,2,4と共発現するが、挫滅によりMCT1,4の共発現が消失した。AQP9 KOマウスの方がWTより挫滅によるRGC細胞死数と暗所視閾値電位低下の程度が強かった。AQP9 KO網膜は乳酸濃度が高くなり、挫滅によりGLUT1,3発現が強くなった。AQP9がMCTと協調して乳酸を供給することがストレス下RGCの生存と機能維持に不可欠であることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳酸はかつて代謝過程における廃棄物と考えられてきたが、近年、脳科学分野において、グルコース以上に神経細胞に選好されるエネルギー基質である可能性が示されている。今回の研究では、AQP9がMCTと協調して、網膜内層において乳酸をRGCに輸送し、とりわけストレス下において網膜神経節細胞の機能と生存維持に極めて重要な役割を果たしていることを初めて示した。外傷性視神経症や虚血性視神経症のような急性疾患のみならず、代表的な慢性視神経変性疾患である緑内障において、乳酸輸送障害という新たな視点から、その病態メカニズムを解明し、新規治療法を開発するマイルストーンとなる研究成果であると考える。
|