研究課題
基盤研究(C)
新たなリンパ浮腫の診断と治療に向けた医療機器開発の基礎的研究として、リンパ管内に挿入可能なリンパ管ワイヤの開発をおこなった。ワイヤは外径0.25mm程度で放射線や超音波診断装置により先端を確認できる。前臨床試験としてブタの研究を行い、リンパ管ワイヤーの安全性と有効性に関する評価と、リンパ管内治療の可能性について検討した。その結果、リンパ管造影と組織学的にリンパ管の内皮、弁共に明らかな異常所見はなく、安全性を確認し透視によるワイヤ先端の位置確認も容易であった。さらにリンパ管内治療としてリンパ管静脈吻合モデルを作製し、吻合部にワイヤ先端を挿入しリンパ管内治療の可能性が示唆された。
リンパ機能障害を主原因とするリンパ浮腫の診断はリンパシンチや蛍光リンパ造影など画像診断が中心であるが、リンパ機能障害によるリンパ管の狭窄や閉塞部位を直接診断する方法はなかった。本研究成果により、リンパ管ワイヤを用いて障害部位を診断することが可能となった。さらに動静脈における血管内治療をリンパ浮腫治療に応用できる可能性が示唆され、低侵襲な新たなリンパ浮腫治療の可能性が広がった。得られた結果を基に、本ワイヤによるリンパ管障害部位の診断の臨床応用を目指した結果、本年度末に医療機器としての承認を得ることができ、ワイヤの上市がなされた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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