研究課題/領域番号 |
18K09579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
荒川 真 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60379881)
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研究分担者 |
金子 潤 明海大学, 保健医療学部, 教授 (40301890)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | う蝕(カリエス) / 味覚 / リスク判定法 / カリエス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「味覚の敏感さを利用した、簡便で侵襲性も低いカリエスリスク判定法」の実現可能性を検証することにある。ショ糖は「う蝕発生に最も影響を及ぼす食物」と考えられており、これを頻回もしくは多量に摂取するとカリエスリスクが高まることは周知の事実である。しかしながら「その摂取量や頻度はどう決定されているのか?」という点に関しては未だ不明な点が多い。実は先天的な味覚の敏感さが摂食行動に影響している事は以前から報告されていた。また、近年では苦味や甘味に鈍感な子供は、ショ糖の摂取回数および頻度が高く、結果的にカリエスリスクが高まる可能性があることが報告されている。 このような背景から「味覚に対する敏感さを調べることにより、カリエスリスクを判定する」可能性 を検証する。まずは研究対象者を「PROP test」という方法により、「Super-taster」(=味覚がとても敏感な人)、「Medium-taster」(=同じく中程度の人)および「Nontaster」(=敏感ではない人)の3群に区分する。その上で、各群における研究対象者の未処置う蝕歯数およびDMFT指数をカウントした。 ちなみにこのような調査はいまだかつて本邦で実施されたことはなく、本研究が初である。 その結果、“Non-taster”群における「未処置う蝕歯数」は、“Supertaster”群より有意に多かった。また、DMFT indexも同様に“Supertaster”群より“Non-taster”群の方が有意に高かった。 以上より、「味覚が敏感」である人はう蝕が少なく、「味覚が敏感でない」人はう蝕が多い傾向が認められた。 加えて男性よりも女性の方が「味覚が敏感」である傾向も認められた。これは研究開始前には想定していなかった結果であり、新たな発見となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年春以降「新型コロナウイルス感染症」の影響を受け、1年以上にわたり研究の進行が事実上ストップしていたため。 本研究課題は「千葉県立保健医療大学・歯科診療室受診者のうち、研究参加に同意を得られた患者」を主たる対象被験者とする臨床研究である。しかし2020年3月頃より新型コロナウイルス禍のため、受診患者数が大幅に減少した。加えて、同年4月7日の緊急事態宣言発令後は、本学執行部の指示により不要不急の診療は先延ばし、学生の登校も中止となった。また、本学は通常近隣小学校にも学外実習のご協力を頂いているが、それも同様に中止となり、学外から研究参加者を募ることも不可能となった。 以上の理由から1年以上にわたり、新たな研究協力者を得ることが極めて困難となっていた。 しかしようやく昨年春頃から研究協力者の確保を再開することが出来、昨年度中になんとか目標サンプル数(100例)を確保することが出来た。このような理由から、進捗状況は「やや遅れている」。
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今後の研究の推進方策 |
ようやく昨年度中に目標サンプル数(100例)を確保することが出来た。その結果は日本歯科保存学会2022年度秋季学術大会にて発表した。現在学術雑誌への投稿準備中である。
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