研究課題
基盤研究(C)
動脈硬化のうち粥状硬化症の発症は、ヒト血管内皮細胞への単球の接着が関連する。ヒト臍帯静脈内皮細胞を歯周病原細菌由来LPSやTNF-αなどの炎症性サイトカインで刺激し、単球様、好中球様、マクロファージ様の細胞に分化させたHL60細胞を用いて、その後の接着度や各種アディポカインとの共存下での影響などを確認するためのモデル作成を試みた。このモデルにおいて、歯周病原細菌由来LPSや炎症性サイトカイン により、各種アディポカインと接着因子の発現増加が認められ、歯周病が動脈硬化に影響を及ぼす可能性が示唆された。
歯周病は歯肉における慢性炎症であるが、血流などにより全身の健康にも影響を与えていることが報告されている。とりわけ、糖尿病についてはエビデンスとして確立されているが、動脈硬化との関連については、確立されていない。本研究では、動脈硬化発症モデルとして内皮細胞とマクロファージの共培養システムを作成し、歯周病が動脈硬化に与えるメカニズムの解析を試みた。結果、歯周病における炎症性因子と肥満に関わる因子が動脈硬化発症に相加的に影響を与える可能性があることから、歯を失うことを防ぐだけでなく、動脈硬化の発症予防のためにも、歯周病予防や重症化抑制が重要であることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
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