研究課題/領域番号 |
18K10368
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
深沢 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 客員教授 (00530437)
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研究分担者 |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (10636062)
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
新井 里美 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (90802413)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 統合失調症 / 覚醒の亢進 / 主観的感覚 / 増悪・再燃 / 過覚醒 / セルフチェック / コントロール不能感 / 恐怖 / 過敏さ / 頭痛 / 心の変調感 / 過覚醒状態 / セルフモニタリング / 再燃予防 |
研究実績の概要 |
統合失調症の再燃・増悪のリスクが高まっていることを,覚醒レベルの変化によって予測できる可能性があることを示す研究がある.統合失調症罹患者が自らの覚醒レベルが高くなっていることを感知できるならば,そのような時には再燃・増悪が生じるリスクが高くなっていると考えて対処することができる.しかし,覚醒レベルが高い時,その状態を主観的にどのように感じるかということについての研究は報告されていない.「覚醒レベル」や「覚醒」という概念は人々に広く理解されている概念ではない.そこで,統合失調症罹患者が自らの高い覚醒レベルをどのように感じとっているかを明らかにするために、日常生活を送るなかで自身の心身の状態について感じとっている感覚から覚醒レベルを分析した.地域生活をしている統合失調症罹患者4名から延べ43回のインタビューデータを収集したうち,心身の状態とその変化を感じとった感覚,ならびにその時の状況について詳細に語っていた1名の研究参加者の語りから,覚醒レベルが高い時に感じとっている感覚を明らかにすることができた.<気分の高揚感>,<苛立ちや憤り>,<安泰を脅かされる感覚>,<精神活動が非常に亢進している感覚>,<身体が緊張している感覚>を感じとっていた時は、覚醒レベルが高い状態であったと分析できた.さらに、<急激に湧きおこる激しい怒り>を感じとっていた時には,非常に高い覚醒レベルであったと分析できた.一方,研究参加者はこれらの感覚について,覚醒レベルが高い状態を示しているとは認識していないことも明らかになった.まずこれらの感覚は覚醒レベルが高い状態で感じとられる感覚であることを統合失調症罹患者が理解できるようにすること,そして高い覚醒状態を認識した時にはそれを鎮めることができるように対処法を獲得できるようにすることによって精神症状の増悪・再燃を防ぐことができる可能性がある.
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