研究課題
基盤研究(C)
転移性骨盤腫瘍をもつ患者のCTデータをDICOMデータとして有限要素法解析ソフトに取り込み、健常側から正常骨盤モデルを作成した。先行研究をもとに、仙腸関節と恥骨結合の靭帯成分の特性値を設定し、仙骨と恥骨結合は水平方向以外のすべての方向に、仙椎は垂直方向のみで拘束した。股関節の臼蓋に対する荷重方向は、恥骨結合上縁と仙椎上縁で構成する平面から30度傾けた角度にした。有限要素法で応力解析を行った結果、複数症例で脆弱性骨折で生じる仙骨、恥骨上下枝に骨折を生じたので、解析条件を決定した。骨転移を模した骨欠損モデルによる検討では、臼蓋前縁から恥骨上枝、坐骨切痕部に欠損があると骨折を生じやすかった。
骨盤骨転移の治療の目的は病的骨折を予防してADLを維持することである。骨盤転移の骨折リスクを評価する指標が必要であるが、これまで骨盤転移による骨折リスクや手術適応の指標が存在していなかった。 そこで、我々は有限要素法を用いて、腫瘍部位や大きさによる骨折リスクの違いを明らかにし、実際の症例における骨折リスクを予測するシステムを作成することを目標とした。現時点では、仮想骨転移モデルで、臼蓋前縁から恥骨上枝、坐骨切痕部に欠損があると骨折を生じやすいことを明らかにしたので、今後実症例で検証を行い、スコアリングシステムを確立する。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 17件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 2件、 招待講演 18件)
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