研究課題
基盤研究(C)
時計遺伝子は概日リズムを調節する重要な遺伝子である。概日リズムは神経内分泌系の調節に関与することから、生活リズムを正常に保つことは健康の維持にとって意義深い。小児肥満の出現リスク・小児肥満の体格・糖脂質代謝について時計遺伝子CLOCKの遺伝子多型(SNPs)との関連について検討した。CLOCK rs1801260(3111T/C)、rs1464490, rs3749474についてTaqManプローベ法でジェノタイプを同定した。今回調べた3つのCLOCK SNPsは小児肥満のオッズ比を増減しなかった。小児肥満における肥満度、BMIに及ぼす影響はなく、糖脂質代謝に及ぼす影響も観察されなかった。
小児肥満の出現や合併症を含む表現型に対して、CLOCK遺伝子のSNPsが及ぼす影響は極めて少ないと考えられた。成人のような夜型シフトワーカーの生活習慣をもつことは小児ではほどんどないため、概日リズムを調節する遺伝子多型のような遺伝学背景が及ぼす影響は極めて限定的かもしれない。概日リズムの形成に必須の遺伝子はCLOCK遺伝子以外のものも知られるので、今後、時間遺伝子の種類の範囲を広げ、それぞれの遺伝子が与えるインパクトを検討する必要がある。
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