研究課題/領域番号 |
18K11159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2021-2022) 大阪大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
安永 憲司 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (50510004)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 誤り訂正符号 / 挿入・削除訂正 / 連接符号 / 挿入・削除誤り |
研究実績の概要 |
挿入・削除に対する誤り訂正問題に対し,与えられたアルファベットサイズ,符号長,訂正半径(最小 Levenshtein 距離)に対し,どの程度大きな符号を構成できるかという符号の存在性問題に取り組んだ.可能性と不可能性の両方面から新しい限界式または評価値を明らかにすることを目指した.可能性に関する結果として,通常の Hamming 距離に関してグラフ理論を用いたアプローチ(グラフの独立数問題に帰着)が有効であり,Turan の定理や,Caro-Wei 限界を用いた符号サイズの下界式を数値的に評価した.さらに,挿入削除球サイズのタイトな上界式が改善につながるため,上界式の数え上げにおいて重複を減らした式を導出し,新たな下界式を示した.これらの限界式ならびに関連研究である Sala ら (ISIT2014) が示した下界式を,アルファベットサイズ q = 2, 4 で評価した.符号長は 10-40 程度,最小距離は 4以上について数値を導出したが,ある程度の範囲では今回導出した下界式が最も良い性能を示した.Sala らの限界式は,論文においては既存のどの限界式よりも優れているとの主張であったが,数値評価したところ,Levenshtein (ISIT2002) が示した下界よりも劣る場合があることが明らかになった.新たに導出した下界式は,漸近的には Levenshtein (ISIT2002) の下界式に一致するため,数値計算でしか改善を示すことができなかった.上界式についても,球充填上界やリスト復号可能性を利用した Elias タイプの上界式について評価した.訂正半径がある程度以上であれば,Elias タイプの上界が最も良い性能を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
挿入・削除訂正符号の存在性に関して,存在しうる符号サイズの下界式を導出することが困難であったが,数え上げの重複を考慮することで新たな下界式の導出に成功し,順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
符号の存在性に関する上界と下界のギャップを埋めるべく,更に改良できないか検討していきたい.
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