研究課題
基盤研究(C)
最近、我々は、ヒト気道上皮細胞株と末梢血単球由来未成熟樹状細胞(DC)、線維芽細胞株の3種類の細胞を用いて、気道上皮組織を模倣した新しい3次元DC共培養系を構築し、2型ヘルパーCD4+T細胞分化誘導に重要な副刺激分子OX40 ligandのmRNA発現増強を指標に、呼吸器と皮膚感作性化学物質の識別が可能であることを見出した。本研究では、さらにそこへ、ナイーブCD4+T細胞を加えて、感作性の有害性発現経路のKey event 4であるT細胞を指標にした新しい2ステップの3次元DC/T共培養系を開発し、この系を用いてT細胞でのIL-4発現増強を指標に両者の識別が可能である可能性が示唆された。
化学物質の感作性試験法には、近年、動物を使わない代替法の開発が急務となっている。感作性化学物質には、呼吸器と皮膚感作性の2種類あり、両者に対して講ずるべき危機管理対策のレベルが全く異なるにも関わらず、既存のin vitro感作性評価法では、両者を見分けることができない。また、これまでに、感作性の有害性発現経路のKey event 4のT細胞を指標にした代替試験法は開発されていない。本研究により、T細胞でのIL-4発現を指標に呼吸器と皮膚感作性を識別する樹状細胞とT細胞の3次元共培養系の開発の可能性が示唆され、さらに汎用性の高い系ができれば、産業界への影響は多大でその社会的意義も大きい。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件)
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