研究課題/領域番号 |
18K11665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山口 啓子 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (80322220)
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研究分担者 |
瀬戸 浩二 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (60252897)
香月 興太 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 講師 (20423270)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 貧酸素 / 成長線 / サルボウガイ / Anadara kagoshimensis / 微量元素 / 酸揮発性硫化物 / AVS / 殻体成長線 / 柱状試料 / 中海 / 殻体 / Anadara / 貧酸素化 / 人為的改変 / 二枚貝 / 有機汚染 / 干拓堤防 / 硫化水素 / 塩分 / ストレス / 成長停止線 / 人為的環境改変 |
研究成果の概要 |
サルボウガイを用いた室内及び野外実験において、貧酸素に曝露する期間の長さと個体成長速度の相対値として算出した成長停止線の厚さには正の相関が認められた。中海で採取した柱状試料から、下層のサルボウガイ・イヨスダレガイなど内湾泥底種の群集から、上層はシズクガイ・チヨノハナガイの日和見種・汚染指標種の群集へと変化した。底質の有機汚染は1930年ごろには始まるが、これより下位の層準から算出したサルボウガイ殻体断面に貧酸素とみられる成長停止線が複数観察され、中海の貧酸素化は干拓堤防建設以前にも起こっていたことが明らかとなった。貧酸素域で採取された殻体中のMn濃度が高い値をとることも示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、内湾や湖沼では貧酸素水塊の発生や長期化が増え、水生生物への影響が問題となっている。不十分な環境影響評価のまま実施された干拓・堤防建設などが環境にあたえた影響は、事後に十分に把握できない現状がある。本研究は、貝殻のような長期保存され入手可能な硬組織から,貧酸素の発生状況を読み取ることを可能にした。貧酸素に強いサルボウガイの貝殻から貧酸素を耐えた成長停止線を読み取り、また、貝殻の炭酸カルシウムに混ざるMn濃度で貧酸素の程度を推定する方法を提案した。実例として、人為的改変の少なかった時代にも中海で貧酸素化が起こっていたことをサルボウガイ殻体から読み取った。
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