研究課題/領域番号 |
18K12198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
名和 隆乾 大阪大学, 文学研究科, 講師 (20782741)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 初期仏教 / 縁起説 / 輪廻 / インド初期仏教 / パーリ三蔵 / 身体 / パーリ正典 / カーヤ / 阿含 / ニカーヤ |
研究成果の概要 |
従来,インド初期仏典中には,三世に亘る十二支縁起説は確認されないというのが定説であった。これに反して本研究は,それに該当する十二支縁起説が,「分別経」(『相応部』12.2)中に確認されることを指摘した。この十二支縁起説では「識」「触」「受」「愛」の4支のみが,例えば「六識身」の様に「六X身」と表現される。本研究はその理由をも明らかにした。すなわち,六内処に単数形,六外処に複数形を用いる「六処」に始まり,「識」「触」「受」「愛」の生成を説き,「識」以降の4支を「六X身」と表現する縁起説を継承している為である。「身」の語により,六外処の複数性が示されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
十二支縁起説は,仏教教理の中核を占める故に従来より様々に論じられてきた。しかしその殆どは根拠が曖昧で,極端に言えば個々人の信仰表明の域を出るものではなかった。これに対して本研究は,全て文献中に確認される事実に基づき,インド初期仏教段階から同教説が2度の生まれ変わりを含んでいたことを主張し,縁起説成立史研究を学術的に一歩前進させた点に意義がある。また本研究は,種々のデジタル技術を駆使して三蔵中の用例を隈なく収集し,かつ最新の印欧語研究の知識を取り入れて正確に読解するといった,これまでになかった学術的な縁起説研究の方法論を提案する意義をも持つ。
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