研究課題/領域番号 |
18K12207
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
小布施 祈恵子 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (90719270)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 上座仏教 / 海外布教 / タイ / 土着化 / イスラーム / 東南アジア / イスラモフォビア / 宗教間対話 / 仏教保護運動 / 仏教国教化運動 / ナショナリズム / 反植民地運動 / 仏教復興運動 / 布教 / 布教ネットワーク / 改宗 / ミャンマー / シャン州 / 移民 |
研究成果の概要 |
本研究では欧米で布教活動を行うタイ上座仏教僧侶の多くが受講している海外派遣僧プログラムに見られる布教方針を分析した。その結果、プログラムの目的は海外在住のタイ仏教徒コミュニティの宗教・文化的ニーズのサポートと、海外における改宗者の獲得という二重構造をなしているが、改宗者の獲得が近年重要性を増していること、そしてこの傾向が近年タイ国内のみならずミャンマーやスリランカでも見られる、イスラームが仏教の存在を脅かしているという言説に基づいていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究を通して判明した点の中で、海外派遣僧プログラムが新たな改宗者の獲得を主な目的とし始めていること、そしてその背景イスラームが仏教の脅威であるという言説があることは特に注目に値する。この言説は植民地時代の英国人研究者によって作られた「ムスリムによるインド仏教の破壊」という説を継承するものであり、現代の仏教徒とムスリムの関係における歴史認識の問題の大きさを物語っている。また、タイ国内の反イスラームの動きが他の上座仏教国におけるそれと連動している点も、タイ仏教界の今後の活動、および東南アジアにおける仏教徒とムスリムの関係性を理解してゆく上で欠かせない要素である。
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