| 研究課題/領域番号 |
18K12337
|
|---|
| 研究種目 |
若手研究
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
|---|
| 研究機関 | 福井県立大学 (2019-2021)
石川工業高等専門学校 (2018) |
|---|
研究代表者 |
小松 恭代 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (70710812)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
| 研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
| 配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
|---|
| キーワード | 日系アメリカ人 / 強制収容 / 多文化主義児童文学 / 日系アメリカ人の強制収容 / 子供のトラウマ体験 / マイノリティ排除 / 児童文学 / 人種的ヒエラルキー / 多文化児童文学 / 人種差別 / 砂漠表象 / ヨシコ・ウチダ / 市民権 |
|---|
| 研究成果の概要 |
1940年代から2010年代までの日系人の強制収容をめぐる米国児童・思春期文学作品を、スチュアート・チンの多文化主義児童文学のオーセンティシティの基準を援用して分析した。様々な人種/民族的背景を持つ作家によって収容物語は書かれてきており、強制収容をもたらした米国社会の人種的ヒエラルキーへの批判の有無は作家による。
収容物語の出版には米国の社会状況が関連している。日系作家の体験にもとづく収容物語の出版は強制収容へのリドレス運動開始後であり、近年ではヘイトクライムの増加や不法移民政策等により収容物語の出版が増えている。日系人の強制収容を他のマイノリティの抑圧の歴史や体験と重ねて描く傾向にある。
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、児童・思春期文学における強制収容物語の出版は民族／人種的マイノリティをめぐるアメリカの社会的状況と関連していることが明らかになった。第二次世界大戦から80年が過ぎた現在でも収容物語の出版が続いている。コロナ禍でのアジア系の人々へのヘイトクライムやBlack Lives Matterの運動、トランプ政権下でのイスラム教徒やメキシコからの移民の排除が表しているように、アメリカ社会には人種的ヒエラルキーが存在しマイノリティの人々への差別がなくなっていない。日系人の強制収容はアメリカ建国の理念と現実社会の矛盾を象徴する出来事であり、今後も様々な表現様式で描かれ続けることが推測される。
|
