研究課題/領域番号 |
18K12491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
矢越 葉子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (30720156)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 正倉院文書 / 奈良時代写経 / 敦煌文書 / 敦煌写経 / 写経 / 経巻 |
研究成果の概要 |
本研究では、古代の写経事業にかかる史料である日本の正倉院文書と中国の敦煌文書、またその写経事業によって形成された経巻群を比較検討することを通じて、史料群としての性格や成り立ちを究明しようとすることを目指した。正倉院文書と奈良時代写経の比較、敦煌文書と敦煌遺経の比較についてはこれまでに先論もあったが、この二つを組み合わせることで、古代の経巻書写の場で行われていた作業工程の差異の一端を明らかにすることができた。さらに、各地に残る奈良時代経巻の調査を通じて、正倉院文書を形成した東大寺写経所で書写された経巻を新たに数点見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正倉院文書は写経事業に伴って形成された史料群であるが、近年、その事業によって形成された経巻群との比較研究が盛んに行われている。これを敦煌文書・敦煌写経に応用し、正倉院文書・奈良時代写経との比較を行うことで、日中において作業工程の一部が異った形で実施されていることが判明した。写経事業やその工程は日本において独自に創出されたものではなく、同時代の中国および朝鮮半島の影響を受けて始められたものであることから、その継受の過程で新たに生み出された工程、もしくは中国でも敦煌では失われてしまった工程と考えられる。このように写経工程全体の復原からしか把握できない情報を指摘しえたことが本研究の学術的意義である。
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