研究課題/領域番号 |
18K12560
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
山藤 正敏 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (20617469)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | シルクロード / 天山北路 / 定住‐遊牧関係 / セミレチエ / 考古学踏査 / ソグド人 / クルガン / チュー渓谷 / キルギス共和国 / 突厥 / 中央ユーラシア / シルクロード天山北路 / ソグド / 交易都市 |
研究成果の概要 |
本研究は、地域文化史の復元によりシルクロード天山北路の形成背景を探る目的で、キルギス共和国北部のチュー渓谷西部において考古学踏査を実施し、計93件の遺跡を登録した。遺跡の時期別分布数により、チュー渓谷西部における居住活動は後期青銅器時代末(前1000~800年頃)に遡り、中世後期(9~14世紀)にピークを迎えたことが判明した。また、遊牧民の所産と考えられる囲い込み遺構は、中世前期には追悼遺構とともに平野部の都市周辺に多く見られたが、10世紀以降の中世後期には山麓部に遍在した蓋然性がある。この現象は、カラハン朝の遊牧民が冬季に都市に居住し、シルクロード交易へ積極的に関与した可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、2点の学術的意義を有している。1つは、シルクロード天山北路の要衝に位置するチュー渓谷西部における通史的な遺跡分布を包括的に明らかにしたことである。もう1点として、中世以降のチュー渓谷西部における交易拠点とその周辺の小型遺跡から、定住社会と遊牧社会の相互関係史を具体的に初めて示したことは重要である。 上記に加えて、本研究の成果は遺跡保護の点で一定の社会的意義を有している。キルギスでは遺跡の保護施策が十分に実施されていない中で、本研究は分布する遺跡、特に新規確認の遺跡データを網羅的に収集しており、キルギスひいてはシルクロードの文化史を守ることに微力ながらも貢献できたと考えている。
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