研究課題/領域番号 |
18K12661
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
徳永 元 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 准教授 (50782009)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 責任能力 / 限定責任能力 / フランス刑法 / 責任主義 / 刑事精神鑑定 / 刑事責任能力 |
研究成果の概要 |
刑法39条に定められる心神喪失(責任無能力)・心神耗弱(限定責任能力)、特に後者について、フランスにおける責任能力制度からは以下のことが明らかとなった。 第一に、限定責任能力の規定があることによって、被疑者・被告人の主体性が保障される。単なる量刑事情ではなく、拘束力の強い法律上の減軽事由であることにより、裁判所は限定責任能力の主張を慎重に吟味するようになる。 第二に、精神障害をもつ被疑者・被告人が刑事裁判において主体的な地位を果たすためには、法律上あるいは裁判上の手当てが必要である。たとえば、刑事精神鑑定を実施し、これを十分に尊重すること、精神科医等の専門家の関与を積極的に認めることである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の学術的意義は、責任主義が、その本質において、刑事訴訟手続と不可分に関連している可能性を明らかにしたことにある。つまり、刑事裁判において被告人の主体的地位を保障するために、一方で、刑法には、強い法的拘束力が認められるかたちで、責任能力に関する規定が置かれる必要がある。他方で、刑事訴訟法には、精神鑑定の実施や精神科医等の専門家の関与を促す規定が置かれ、実務上もそれを尊重することが望まれる。このように、責任主義について、実体法と手続法を貫く視覚は、従来の先行研究ではあまり意識されてこなかったものである。
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