研究課題/領域番号 |
18K12806
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小嶋 健太 関西大学, 経済学部, 准教授 (00634247)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 政府間関係 / 出向 / 人材配置 / 内部労働市場 |
研究実績の概要 |
本研究は,中央・地方政府間出向制度の人事政策としての側面に焦点を当て,この制度が公的部門における効率的な人材の配置に与える影響を解明することを目的としている。2022年度の実績は以下の3点に要約される。 第一に,昨年度までに整備した,旧自治省官僚の人事データを更新した。直近の人事異動をデータに反映させるとともに,データ構築に用いた資料原典における表記揺れを修正した。 第二に,現段階で整備できている人事データを用いて,Kojima and Takii (2019) にならい,あるポジションを経験した後の将来のキャリアの見込みを推定した。その結果,同一の階層ランク内でも,将来の昇進の見込みはポジションによってばらつきがあり,Kojima and Takii (2019) の手法が旧自治省の組織に対しても適用可能であることが確認できた。また,若いときの職務配置が将来の昇進確率に与える影響を推定するためのモデルを検討し,試行的な分析を行った。 第三に,中央省庁からある市に出向した方とその市の職員に対して,出向に至るまでの経緯や市の思惑等についてインタビュー調査を行った。インタビュー調査から得られるものは定性的な事実ではあるものの,政府間出向制度の背後にある経済合理性を明らかにする一助となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データセットの完成に必要な資料の収集が,新型コロナウイルスの影響により完全に達成されていない。資料を所蔵する図書館に行って資料の必要な箇所を自ら探す必要があること,図書館側の厳格な基準により複写が承認されなかった図書館が遠方にあること,同じ資料を所蔵している図書館が近隣にはないことが,資料収集を停滞させている。2022年度は一部の資料を収集することができたが,研究の進捗の遅れを完全に取り戻すまでには至っていない。現段階で整備できているデータセットを用いて可能な範囲で分析を行っているものの,研究目的を達成するためにはデータセットを完成させることが最優先である。
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今後の研究の推進方策 |
第一に,データセットの完成に必要な資料の収集を行う。特に,本研究の主要な資料となっている『内政関係者名簿』のみならず,個人属性の情報を捕捉するための資料を追加的に収集する。研究目的を達成するため,欠損のない完全なデータセットの構築のための取り組みを続ける。 第二に,若いときの職務配置が将来の昇進確率に与える影響を厳密に分析し,出世街道を歩んだ人とそうでない人でキャリアパスにどのような差異が観察されるかを明らかにする。特に,どの県・市のどのポストに出向し,そのときの知事がどのようなバックグラウンドを持つ人物かに着目し,地方への出向経験が昇進とどのような関係にあるかを推定する。 第三に,上記の分析の手法を正当化する傍証を得るため,地方に出向した官僚や地方政府の関係者へのインタビュー調査をさらに行う。出向にかかわる利害調整の過程を描き出すことを目指す。
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