研究課題/領域番号 |
18K12836
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 (2019-2022) 一橋大学 (2018) |
研究代表者 |
佐々木 秀綱 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (90779539)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会的勢力感 / 組織市民行動 / 組織アイデンティフィケーション / オンライン実験 / 権力 / 経営学 / 組織行動論 / 組織コミットメント / 状況的焦点化理論 / 組織心理学 / 勢力感 |
研究成果の概要 |
本研究は社会的勢力感(以下,勢力感)の影響を調整する組織的要因を探索するものである。既存研究からは,組織において権力を手にし,勢力感を高めた状態の個人は,自発的な善意に基づく役割外行動を抑制することが示唆されている。しかし同時に,そうした影響は組織と当該成員との心理的な結びつきの強さによって調整されることも推測される。そこで本研究では,勢力感が組織市民行動に及ぼす影響が,組織同一化の程度によって調整されるという仮説を,オンライン実験によって検証した。実験からは,勢力感の上昇は組織同一化の程度にかかわらず組織市民行動を促進することを示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
勢力感をめぐる既存研究が指摘してきたのは,勢力感の高まりは組織成員にとって望ましくない影響を及ぼすという点であった。しかし本研究で実施した実験においては,勢力感が上昇した状態の個人はむしろ所属組織に対して(とりわけ組織内の他者に対して)協力的・献身的な姿勢を示していた。このことは,組織において権力とは必ずしも排除されるべきものではなく,むしろそれを適切に統制することで秩序だった組織活動が維持できることを示唆している。本研究は,社会心理学の知見と経営学の知見を接合し,組織における権力の在り方を検討するうえで有益な知見を創出できたものと考えられる。
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