研究課題/領域番号 |
18K13107
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
牧田 快 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 学術研究員 (10726607)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳イメージング / 子ども学 / 養育ストレス / ペアレント・トレーニング / 社会脳 / 社会神経科学 / 磁気共鳴画像 |
研究成果の概要 |
本研究課題では,注意欠如・多動性障害(ADHD)を持つ子どもとその養育者を対象に,ペアレント・トレーニング(PT)の介入効果と,関連する神経基盤の変化について検討した。対象者は先行してPTを受講する群(受講群)と,対照として実験終了までPTに参加しない群(待機群)に振り分けられ,PT前後にデータを2回取得した。結果,母親では受講群のみ,養育ストレス指標が有意に減少しており,感情推定課題中の脳活動が顔表情の感情処理に関わる左紡錘状回で高まっていた。子どもでも受講群のみ,ADHD症状の尺度が改善しており,社会的理解や自他の認知に関わる前頭回内側部の安静時脳活動が上昇していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海外ではADHD児自身への治療だけでなく,その養育者に対する子の症状への理解や接し方等を教育・支援する,ペアレンティング・トレーニング(PT)の重要性とその効果が示されてきているが,日本ではこのようなPTは少なく,その介入効果や生物学的根拠には不明な点が多い。本研究の結果から,PTにより,母親は相手の状態に対してより敏感に反応するようになり,それが子への理解と養育環境の向上を導き,間接的に子の持つ問題の軽減に結びついたと考えられる。これらの知見は科学的根拠に基づく効果的な子育て支援方法の確立に寄与し,日本におけるADHD児および養育者への社会的支援の質の向上にも資するものである。
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