研究課題/領域番号 |
18K13431
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
伊藤 悠 京都産業大学, 理学部, 准教授 (70779214)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ラフパス理論 / 複素解析 / 非整数階微積分 / ラフパス / 非整数階微分 / 非整数ブラウン運動 / 確率微分方程式 / ブラウン運動 |
研究実績の概要 |
本年度は引き続きラフパス理論の基礎研究に取り組み、ラフパス理論における線積分(ラフ積分)に関する研究成果を得た。特に、本研究のラフ積分の積分区間に関する加法性を証明した。
本研究のラフ積分はHu-Nualart(2009)及びIto(2019)により導入された。ラフ積分の積分区間に関する加法性はラフ積分の最も基本的な性質であるとともに、例えば、ラフパスで駆動される微分方程式(ラフ微分方程式)の解の存在、一意性、連続性の証明に用いられる。Ito(2019)により、本研究のラフ積分と通常のラフ積分が一致することは示されているため、通常のラフ積分の積分区間に関する加法性から、本研究のラフ積分の積分区間に関する加法性を導くことができる。しかし、本研究のラフ積分の定義式において、左側非整数階微分と右側非整数階微分がそれぞれ積分区間の左端点と右端点に強く依存しているため、通常のラフ積分を経由せずに本研究のラフ積分の積分区間に関する加法性を示すことは自明でなく、昨年度までも取り組んできたが証明には至らなかった。
本年度、ラフ微分方程式に関する研究に取り組む中で、これまでの計算結果を新たに見直し更に推し進めることができ、本研究のラフ積分の積分区間に関する加法性について、通常のラフ積分を経由しないより直接的な証明を得ることに成功した。証明に用いた議論は先行研究の議論よりも簡明であるとともに、積分区間に関する加法性が成立するための条件を緩められる可能性があり、今後の研究においても重要であると考えている。以上の研究成果を論文としてまとめ学術雑誌に投稿した。また、昨年度の研究成果は査読付き論文として学術雑誌に掲載が決定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に則った研究活動を行い意義ある研究成果が得られた。本年度の研究成果を論文としてまとめ学術雑誌に投稿した。昨年度の研究成果は査読付き論文として学術雑誌に掲載が決定した。これまでの研究成果の一部について、国際学会で招待講演を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続きラフパス理論の基礎研究、特にラフパスで駆動される微分方程式に関する研究を行い、本研究を推し進める。得られた研究成果の確率解析への応用を期待しているが、当初想定しなかった展開があれば、本研究の方向性について柔軟な対応をとることで、研究遂行に支障をきたさないよう努める。
|