研究課題
若手研究
細胞運動や液滴運動など境界や膜を持つ現象の数理モデルに共通する、外力を持つ平均曲流方程式に着目して、スポットの形状を保ちながら一定方向に進む解の理論解析を行なった。その結果、以下のことがわかった:(1) 外力が正値であれば、スポット状の進行波解は一意に存在する。(2)外力が負値であれば、スポット状の進行波解は存在しない。 (3)外力が符号変化して一定の条件を満たせば、スポット状の進行波解は一意に存在する。(4)スポット解の形状は全て凸で、不安定であることがわかった。
偏微分方程式で記述される数理モデルにおいて、スポット状パターンの発生メカニズムは未だ明確にはわかっておらず、現在もモデル構築の際は、経験則に頼るところが多い。このため、より複雑な形状のパターンへの解析が滞っている。本研究成果は、スポット状の物質が移動する現象の数理モデルを考えた時に、その構築方法や解の振る舞いの解析の手助けになると考えられる。
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