研究課題/領域番号 |
18K13504
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
岡崎 竜二 東京理科大学, 理工学部物理学科, 准教授 (50599602)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 熱電効果 / 輸送現象 / ゼーベック効果 / 電流効果 / 非線形伝導 / 非平衡電子状態 / ゼーベック係数 / 分子性導体 / ロジウム酸化物 / 非平衡電子物性 / 強相関電子系 / ペルチェ効果 |
研究成果の概要 |
物質に電圧を印加すると、電圧に比例した電流が生じます。このよく知られた「オームの法則」とは対照的に、電流が電圧に比例しない現象は非線形伝導と呼ばれ、ダイオードやトランジスタのように、非線形伝導は現代のエレクトロニクスを支える基幹技術として普及しています。本研究では、電気抵抗だけでなく、熱電能(ゼーベック係数)が電流によってどのように変化するか(非線形ゼーベック効果)を実験的に測定するシステムの開発を進め、有機導体において電流によってゼーベック係数の絶対値が増大するという非自明な振る舞いを観測しました。また非線形伝導測定の問題点となる自己発熱の問題に対し、新たな温度評価手法の開発を行いました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非線形伝導は、近年、シリコンやゲルマニウムのような従来のバンド絶縁体だけでなく、モット絶縁体や電荷秩序絶縁体と呼ばれる強相関絶縁体において報告されており、それらの物質群では、数V/cmの電場で抵抗が1桁以上も変化する大きな非線形伝導が報告されています。それらは低電場で作動する新たなメモリ素子として応用上期待されるだけでなく、従来のメカニズムとは異なった、電場による電荷秩序の融解などの新しい非平衡物理現象を示すモデル物質としても注目されつつあり、本研究では通電時の抵抗の振る舞いだけでなく、ゼーベック係数も調べることで、そのような非平衡電子状態の知見を得ることに成功しました。
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