研究課題/領域番号 |
18K13509
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2018) |
研究代表者 |
金子 竜也 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (30784433)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 励起子絶縁体 / 光誘起ダイナミクス / 非平衡物理 / 非線形光学応答 / 強相関電子系 / 遷移金属カルコゲナイド / 光誘起現象 |
研究開始時の研究の概要 |
励起子絶縁体はギャップの小さい半導体及びバンドの重なりの小さい半金属においてバンド間クーロン相互作用によって誘起された絶縁体状態であるが、近年にいくつかの候補物質が提案され注目されている。本研究では、励起子絶縁体およびその候補物質の動的な物性の深い理解に向けて、相関効果を取り込んだ光学応答関数の評価や実時間発展の数値計算法なども駆使し、励起子系を筆頭とした相関電子系の光誘起ダイナミクスを理論的に研究する。
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研究成果の概要 |
電子-ホール間のクーロン相互作用によって形成される励起子絶縁体及びその候補物質で現れる非平衡物性の理解を目標として、相関電子系の光誘起ダイナミクスを研究した。励起子絶縁体の動的な物性、特に、秩序状態の集団励起モードとその線形および非線形光学応答に関する研究で成果を得た。また、励起子絶縁体の研究に限らず、相関電子系で光誘起される超伝導的状態(ηペア状態)の理論や、高次高調波発生における励起子効果の研究でも成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの物性物理はその多くが平衡および線形応答領域において研究が進められてきたため、未開拓な非平衡・非線形応答領域における物性の研究は相関電子系の物理に新たな知見をもたらすものである。本研究で対象とした励起子絶縁体は、その秩序状態が対凝縮の物理のエッセンスを含むなど、物性物理の本質的な側面を多く含んだ舞台となっている。その励起子絶縁体の光誘起による非平衡物性の研究は、量子物質における集団運動の普遍的な性質の理解にもつながる有意義なものである。また、非線形光学応答や物性の超高速な外場制御は基礎だけでなく応用の観点からも重要である。
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