研究課題/領域番号 |
18K13610
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松本 徹 九州大学, 基幹教育院, 特別研究員(PD) (80750455)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 小惑星 / イトカワ / 宇宙風化 / 硫化鉄 / 金属鉄 / 鉄 |
研究成果の概要 |
探査機はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰った微粒子の表面は、宇宙空間で物質が変化した履歴(宇宙風化と呼ばれる)が刻まれている。本研究では硫化鉄(鉄と硫黄の化合物)に着目して、硫化鉄の宇宙風化組織の観察を行った。観察の結果、地球外物質では全く知られていない、ひげ状に伸びた金属鉄の結晶を硫化鉄表面に発見した。金属鉄のひげ状結晶は、太陽から吹き出した荷電粒子である太陽風の打ち込みが硫化鉄(FeS)を分解させ硫黄を選択的に消失させることで成長したと推定した。この考察から、荷電粒子の照射は宇宙における硫黄と鉄の化学進化に大きな役割を果たした可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NASAの小惑星探査によって、小惑星表面では硫黄のみが隕石物質に比べて欠乏していることが示唆されていたが、その具体的な仕組みは長年解明されていなかった。本研究は硫黄の消失が実際に小惑星表面で起きる証拠とその仕組みを初めて示した。この成果は、観測から小天体の化学組成を正確に推定し、太陽系惑星の構成物となった小惑星の材料やその進化の解明に役立つと期待される。
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