研究課題
若手研究
大気中に含まれる気体のラドンが、大地で発生する地震のシグナルをとらえている可能性がある。本研究では、大地から大気へのラドンの輸送を明らかにするため、大気と土壌のラドン濃度および地表面のラドン・フラックス(ラドン放出量)の同時測定をおこなった。その結果、ラドン・フラックスの変化は、夜間における大気中ラドン濃度の変化量として表れることが分かった。また、ラドン・フラックスが高い時期と土壌ラドン濃度が低い時期が概ね一致し、土壌ラドン濃度がラドン・フラックスに対して土壌間隙水の変化を通じて受動的に変動することを示唆した。
本研究の結果、大地から大気へのラドン輸送のメカニズムが明らかとなった。地震発生に伴って大気ラドン濃度が異常に変化した場合、異常が発生した時間帯をみることでラドンがどの地点から放出されたのかを特定することができる。さらに、本研究では土壌ラドン濃度はラドン・フラックスに対して受動的に変化したが、今後多様な土壌種で土壌ラドン濃度とラドン・フラックスの関係を明らかにすることができれば、どこが主なラドン放出源となりうるか推定することができる。これらにより、地震発生とラドンの関係に関する理解が深化すると期待される。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Scientific Reports
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International Journal of Environmental Research and Public Health
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https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/02/press20210219-02-radon.html