研究課題
若手研究
本研究では、雨粒が形成される前の雲粒を観測することできる雲レーダーの同化手法を開発することで、局地的大雨に対して短時間の数値予測の精度向上を目指した研究を行った。局地的大雨を引き起こした積乱雲を1分毎の超高頻度で捉えることに成功した特別観測による雲レーダーデータを、ナッジングと呼ばれる手法で同化し、数値予測の初期値を改善することで、従来の時間補外ベースのナウキャストでは難しかった、雨が降る前の段階からの局地的大雨の予測に成功した。
「ゲリラ豪雨」とも呼ばれる局地的大雨は、河川の急な増水や道路の浸水などを通じて時には人的被害をも引き起こすため、その予測手法の開発は重要な研究課題である。本研究は、雲レーダー同化により雨が降る前の段階から局地的大雨の予測に成功した世界で初めての研究だといえる。本手法を実用化に向けて高度化し、予測情報を危険な場所にいる方々にいち早く伝えることで、「ゲリラ豪雨」による被害が軽減されることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
Quartery Journal of the Royal Meteorological Society
巻: 13 号: 722 ページ: 2139-2160
10.1002/qj.3548