研究課題/領域番号 |
18K14177
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新家 寛正 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40768983)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | キラル結晶化 / 塩素酸ナトリウム / 表面プラズモン近接場 / 光学捕捉 / Optical Chirality / 光学捕捉誘起結晶化 / クリーピング / 金属ナノ構造体 / プラズモン光学捕捉 / キラリティ転写 / 結晶鏡像異性過剰率 / 表面プラズモン共鳴 / バンドギャップ / 光圧 / 金属ナノ周期構造体 / キラリティ / 二次核生成 / 周期構造体 / バンドギャップエンジニアリング / 表面プラズモン |
研究成果の概要 |
右手と左手の関係のような、物質の鏡像体同士の構造が一致しない性質をキラリティと呼び、キラリティを持たない分子がキラリティを持つ結晶へと組み上がる最初の過程をキラル核形成という。一方、物質だけでなく光にもキラリティがあり、金属ナノ構造体への光照射に伴う自由電子の励振により発生するナノスケールの光である近接場が強いキラリティを示し得る。通常、キラル核形成の結果右結晶と左結晶は1:1の確率で現れることが知られているが、本研究では、強いキラリティを示し得る近接場を高度にデザインしその中でキラル核形成を誘起することで右結晶と左結晶の晶出確率をおよそ1:3にまで変化させることができることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、光による物質キラリティ制御は円偏光とキラル物質間の相互作用を基に展開されてきたが、光と分子とのスケール差が大きいためその相互作用は小さく、得られるキラリティの偏りは極めて小さい。キラルな表面プラズモン近接場の利用でスケール差が解消されることが期待されているが、近接場のような微小領域のキラリティを調べる技術が未成熟であるという問題点があった。本研究では、キラル核形成の、微小領域のキラル反応の結果を即座に観測可能なスケールへ拡大する性質により、問題点を克服し、従来の10倍に及ぶ偏りが実際に得られることが判明した。ホモキラリティ問題・創薬やスピントロニクス材料分野への波及効果が期待される。
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