研究課題
若手研究
ビワの花香成分である(2-ニトロエチル)ベンゼンの生合成経路を酵素と遺伝子レベルで解明した。本経路では、フェニルアラニンがCYP79D80によってフェニルアセトアルドキシムに、続いてフェニルアセトアルドキシムがCYP94A90によって(2-ニトロエチル)ベンゼンに変換される。本経路から見出したCYP94A90はアルドキシムをニトロ基に変換する新規反応を触媒する酵素であり、植物初のニトロ基合成酵素である。
ニトロ基 (R-NO2) は医農薬品など、人工の有機化合物には頻繁に含まれるが、天然物に含まれることは非常に少なく、植物・動物・微生物をあわせても200化合物ほどしか見出されていない。そのため、ニトロ基合成酵素は植物から見いだされていなかった。本研究では植物初のニトロ基合成酵素を見出した。本成果は植物の2次代謝産物生合成経路の多様化機構の解明や、酵素を利用したニトロ化合物の生産のための有意義な知見となる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 82 号: 10 ページ: 1760-1769
10.1080/09168451.2018.1490171
巻: 82 号: 11 ページ: 2021-2029
10.1080/09168451.2018.1497942