研究課題/領域番号 |
18K14494
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
稲永 路子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所 林木育種センター, 主任研究員 等 (30757951)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アスナロ / ヒノキアスナロ / 産地試験 / 低温順化 / 発現解析 / 糖分析 / アスナロ属 / 電解質漏出法 / RNA-seq / LT50 / 耐寒性 / 遺伝子発現 |
研究成果の概要 |
ヒノキ科アスナロ属は日本の固有属であり、主に太平洋側に分布するアスナロと主に日本海側に分布するヒノキアスナロの2変種で構成される。両変種の冬季の耐寒性に差があるという仮説を検証したところ、低温順化中の11月から3月前半には差が検出されず、当初の仮説は否定された。一方9月から10月、および3月後半の耐寒性はわずかにアスナロが高く、アスナロ属では低温順化の前段階および脱順化後の段階で生育地への局所適応が起こっている可能性が示唆された。糖分析では産地間差が見られなかった。また発現遺伝子による比較を行うため、詳細なアノテーションを行なったcDNAデータベースを整備した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冬季の耐寒性と糖含有量に変種間差が見られなかったことから、両変種の分化は冬季の低温に対する適応に起因するという仮説は否定された。一方、低温に順化していない期間の耐寒性にわずかな差が見られたことから、アスナロ属の変種の分化には仮説と異なる環境要因への適応、もしくは集団の隔離等の歴史的経緯が関わっている可能性が示された。本研究で整備されたcDNAデータベースは、今後多様なアスナロ属の遺伝学的研究、ひいては育種等に応用することができる。
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