研究課題/領域番号 |
18K14522
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
國師 恵美子 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 助教 (90714866)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 酸化ストレス / アスコルビン酸 / ヒメダカ / 含酸素多環芳香族炭化水素類 / 魚胚 / 発生毒性 / 形態異常 / 環境汚染物質 / 胚 / PAHs / 農薬 / 奇形誘発 / 抗酸化作用 / 毒性試験 / 化学物質影響 / 魚類 / 奇形 |
研究実績の概要 |
生体内で蓄積した活性酸素は脂質やタンパク質、DNAを参加して損傷を与えることがあり、これを酸化ストレスと呼ぶ。この酸化ストレスによる影響を軽減するために、生体内にはいくつかの抗酸化機能があり、その中でも強い抗酸化能を有するのがアスコルビン酸である。 我々の先行研究において、含酸素多環芳香族炭化水素類などの化学物質をヒメダカ胚に暴露すると、孵化仔魚の形態異常が確認され、骨形成への影響が示唆された。骨形成にはアスコルビン酸も関わっており、魚胚中のアスコルビン酸の変動や酸化ストレスが起きていることが予想された。本研究では、ヒメダカ胚を用いて環境を汚染する原因となる化学物質が魚胚に暴露された際の酸化ストレスと体内でのアスコルビン酸の役割を調べることを目的としている。 これまで、餌中アスコルビン酸の有無による親魚の受精率や産卵数、孵化率や形態異常発生率などの影響を調べたところ、通常餌と不足餌では試験期間を通して受精率の変化は見られなかったが、試験開始後、2週間程度からアスコルビン酸不足餌群では産卵数の減少傾向が確認された。また試験開始1か月を過ぎた頃から雌親魚の死亡が確認され、それに伴い産卵数の減少がみられた。本研究では不足餌を与えた際の胚中のAsA濃度を測定することが課題となっていたが、昨年度から続く感染症による研究活動の制限及び実験施設の改修に伴う測定機器の使用制限などにより、測定方法の確立に遅延が生じた。しかし、新規に測定機器を導入することができ、アスコルビン酸の分析方法の確立及び魚卵中のアスコルビン酸の測定方法の最適化をすることができた。今後は確立した測定方法により、アスコルビン酸不足胚を用いて環境汚染物質の魚類胚に対する影響と魚胚中のアスコルビン酸量の関係を検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年に引き続き、新型コロナウイルスの影響により施設利用ができない期間や研究活動の制限が生じたことと、実験施設の改修が行われたため、測定機器や実験室が利用できない期間が生じたために研究活動への支障が出た。研究活動においては飼育生物の維持が基本となり、試験生物の安定供給が難しかったことから、当初予定していた実験計画を変更することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度計画を予定していたアスコルビン酸の測定に関して、測定機器の故障が起きて研究に支障が出ていたが、該当機器の部品が不足により修理が行えなかったために、代替として新規に測定機器を導入した。今年度は新規に導入した測定機器の検討を行い、AsAの測定法の確立と魚胚中のAsA測定の最適化を行うことができたため、次年度以降はAsA不足胚への酸化ストレス影響と魚胚中のAsAの関係性を明らかにすることを目的とした実験と分析を進めていく。
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