研究課題
若手研究
多くの生物にとって毒として知られる硫化水素は、ほぼ全ての生物に普遍的な生理活性物質として機能することがわかってきたが、そのシグナル伝達機構には不明な点が多い。本研究では、硫化水素由来の過イオウ化分子である「活性イオウ分子種」に対するセンサータンパク質の生化学的な特性と活性イオウ分子種の代謝系を解析することで、本シグナル伝達機構の解明を目指した。その結果、本センサータンパク質が優先的に検知する活性イオウ分子種とその代謝酵素を決定し、本シグナル伝達機構の根幹となる分子機構を明らかにした。
活性イオウ分子種を介したシグナル伝達系の分子基盤の一端を世界で始めた明らかにした本研究成果は、硫化水素・活性イオウ分子種に依存したシグナル伝達の詳細と、その生理的意義を明らかにする上で極めて重要である。また、硫化水素は、脳疾患である統合失調症や心臓疾患である心不全などの様々な疾患に関与することが報告されているため、様々な疾患に対するこれまでにない全く新しいアプローチ・治療法の開発につながることが期待される。したがって、本理学研究の成果は、医学・薬学研究にも大きく波及すると言える。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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