研究課題
若手研究
脳腫瘍の確定診断には必要不可欠である生検術において、低侵襲性と診断能力の両立を可能とする全く新しい革新的な手術方法、すなわちボーリングバイオプシーを開発し、その有効性を証明するとともに、ボーリングバイオプシーの普及を目指した。独自にボーリングバイオプシーツールを作成し、臨床研究を進め、症例数の蓄積と評価を行った結果、ボーリングバイオプシーの概念は、従来の生検術と比較し、非劣性が証明された。さらに、本法が脳腫瘍臨床において普及するため、医療機器としてのボーリングバイオプシーニードルの開発に成功し、ボーリングバイオプシーの安全性と有効性をヒトを対象とした臨床試験で証明した。
従来の脳生検術の問題点に関しては、我々の意見と同様の報告がされているが、それは医学が進歩した現代においても解決していない。従来の手術法では「点」でしか採取できなかった生検術を、ボーリングバイオプシーは「線」として脳腫瘍組織の採取を可能とするため、今後脳腫瘍治療の核となるテーラーメイド治療に直結するため、臨床的にも意義のある術式開発研究である。ボーリングバイオプシーは、低侵襲性と確実情報性という従来では相反する課題を一挙に解決する画期的な技術であり、従来の固定観念を打ち破り、革新的な脳生検術を確立した本研究成果は、低侵襲治療が推奨される現代の医療界においてインパクトあるものと確信する。
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Sci Rep.
巻: 12 号: 1
10.1038/s41598-022-08366-y