研究課題
若手研究
線虫は特定の塩濃度の領域へ向かう際、進行方向および垂直方向の塩濃度勾配に対して、異なる行動戦略を用いている。塩濃度勾配の情報は時間的多重化によってエンコードされ、同一の神経回路を伝播し、下流でデコードされると考えられる。本研究ではこの情報処理機構の実態を明らかにすることを目指した。新規の微小流路を作成して、行動中の線虫の神経活動を計測し、塩濃度変化の刺激にたいする運動神経の応答が頭部の運動の位相に依存することを見出した。また光遺伝学的刺激や数理モデル化を組み合わせて、この位相依存的な塩応答が風見鶏行動を生み出すための情報処理機構として働いていることが示唆された。
本研究によって、感覚運動統合のメカニズムの一端が明らかになった。神経活動と行動を統合した数理モデルによって、環境と神経活動と行動の3者間の関係を包括的に理解できることが示された。また行動中の生物の神経活動を観察することの重要性が示され、行動中の線虫の全脳神経活動計測に向けた技術的基盤の整備が進んだ。またパターン照明を用いた光遺伝学的刺激の有用性が示唆され、高速閉ループ制御技術の必要性が明らかになった。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (47件) (うち国際学会 11件、 招待講演 12件) 備考 (6件)
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