研究課題
若手研究
2012年から2019年の間に血流感染症を発症した固形腫瘍患者799名の電子カルテ情報を用いて分離菌の経年的変化、臨床的特徴、転機および予後因子について検討を行った。分離菌はグラム陰性菌49%、グラム陽性菌40%、真菌7%、嫌気性菌4%であり、52例(6.5%)がpolymicrobialであった。菌種は大腸菌、クレブシエラ属、腸球菌の順に多かった。調査期間中の分離菌の分布に経年的な変化は見られなかった。30日以内の死亡に関連する独立したリスク因子は重症度(Pitt菌血症スコア)、Charlson併存疾患指数、適切な抗菌薬投与の遅れであった。
悪性腫瘍患者には比較的安易に広域抗菌薬を使用する傾向が強く、不要な広域抗菌薬の乱用に繋がっている可能性もある。適切な抗菌薬治療を考える上で起炎菌等に関する細菌学的データは不可欠であるが、固形腫瘍瘍患者の感染症を対象とした疫学データはほとんどない。がん化学療法が著しい進歩を遂げている中で、本研究によって起炎菌の全体像や経年的変化が明らかになれば抗菌薬適正使用を推進していく上で有益なデータとなる。さらに、収集した臨床背景データを利用して予後因子が解明出来れば、より質の高い感染症診療を提供することができる。
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