研究課題
若手研究
本検討では食餌誘発性のマウス非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルを用いて、腸粘膜バリアがNASHの病態形成にどのようにかかわるかを検討した. NASHの病態形成の早期の段階で腸粘膜バリア機能は低下し、その状態はNASHが生じるまで継続した.また、腸粘膜バリアの低下と血中の肝障害マーカーとの間には強い相関関係が認められた. また、給餌3ヵ月後には肝障害が進行し、その状態には腸粘膜バリアの低下との因果関係が認めらた. さらに、NASHと腸粘膜バリアの両方に腸内細菌叢との密接な関連が認められた. これらの検討結果はNASHの病態形成には腸粘膜バリアが大きく関与することを示唆している.
本研究は昨今関心の高い腸の健康状態が、生活習慣によって誘発される疾患のひとつであるNASHの発症や悪化に影響することを示したものである. この成果をもとに腸粘膜バリアの慢性的な低下であるleaky gut syndromeと全身疾患との関連についてさらなる研究を進める意義が増し、将来的には腸の健康状態の回復や維持を行うことで全身疾患を治療・予防するという方法につながっていくという展望がありうると考えられる.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件) 備考 (2件)
Lancet Gastroenterology & Hepatology
巻: in press
Trials
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BioMed Research International
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