研究課題
若手研究
EGFR遺伝子変異陽性細胞株においてはHER2の発現が少なくても抗体薬物複合体であるトラスツズマブ・エムタンシン(T-DM1)の効果が強い傾向にあった。HER2-HER2ホモダイマーは細胞表面上に、HER2-EGFR, HER2-HER3ヘテロダイマーは細胞内に局在しており、HER2-EGFRヘテロダイマーを介したHER2の内在化、T-DM1の治療効果が考えられた。EGFR遺伝子変異陽性症例における血漿中のEGFR遺伝子変異の存在や消失、アレル数の増加の有無はEGFR-TKI治療の効果予測因子であった。
本研究の結果、HER2を標的とした分子標的治療薬がHER2高発現の腫瘍以外にも効果を有することが明らかとなり、更なる研究によって治療選択肢の拡大につながる可能性がある。現在、新規研究として「EGFR遺伝子変異陽性肺癌における抗体薬物複合体の作用機序に関する研究」を推進中である。2021年3月ゲノム医療の一環として次世代シークエンサーを用いたリキッドバイオプシー検査が承認され、今後リキッドバイオプシーが日常臨床で使用されるようになる。このような背景において、本研究で示した分子標的治療薬の予後予測におけるリキッドバイオプシーの有用性は重要な意義を有する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
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