研究課題/領域番号 |
18K15369
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
梶原 隆太郎 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (00738221)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / GM1ガングリオシド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大きく分けて次の点からなる。①治療薬候補のニューロンに対する有効性を確認するために、患者iPS細胞 から分化させたニューロンを候補薬剤で処理して同様にAβの産生が減少するか、また、FM1-43を用いてニューロンの細胞機能が改善するかをin vitroで調べる。②候補薬剤のin vivo での効果について明らかにするため、ADモデルマウス(5xFAD)に候補薬剤を投与後、脳内Aβ量を定量し、in vivo でもAβ蓄積を軽減する作用があるかを調べる。また、モデルマウスの行動解析により、機能的にも症状を改善できるかを調べる。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病(AD)は、認知症の60-70%を占め、先進国において最も金銭的コストが高い疾患となっている。Aβと呼ばれるペプチドが脳に凝集・蓄積することが本疾患の発症機構と考えられているが、根本的治療法は現在のところ確立しておらず、対症療法のみにとどまっている。近年になってAD患者の神経細胞膜表面に存在するGM1ガングリオシド(以下GM1)と呼ばれる糖脂質が、Aβの凝集を促進しADの病態形成に深く関わっていることがわかってきた。そこで本研究では、iPS細胞技術を駆使し、GM1をターゲットとした今までにない作用機序によるAD治療薬開発、およびAD病態形成におけるGM1の機能解明について探る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
家族性AD患者からiPS細胞を樹立し神経細胞へと分化させることによって、in vitroでヒト神経細胞を解析でき、種の違い・アーティファクト等の問題を起こしにくい実験系を確立した。また、根本的な治療薬が存在しない本疾患において、GM1をターゲットとして新規治療薬開発を行うことは非常に独創的である。さらに、GM1ガングリオシドーシス患者由来iPS 細胞を用いたスクリーニング系により、GM1を抑制する化合物を世界で初めて発見したことは非常にインパクトが大きい。本研究によって今までにない作用機序によるAD治療薬を開発でき、将来的に医療現場における患者のQOL の向上に貢献できる。
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