研究課題/領域番号 |
18K15501
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 崇城大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2018-2021) |
研究代表者 |
江崎 加代子 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (20744874)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 精神疾患 / スフィンゴ脂質 / 脂質生化学 / 統合失調症 / 死後脳 |
研究成果の概要 |
向精神薬の投与による脂質含量変化を検討した結果、統合失調症患者死後脳の白質におけるスフィンゴ脂質含量の有意な減少は向精神薬の影響ではない可能性が示唆された。また、薬理学的精神疾患モデルマウスにS1P受容体の外因性リガンドを投与して精神疾患様行動異常への効果を評価したところ、一部のリガンドが精神疾患様行動異常抑制効果を示した。また、野生型マウスへの外因性リガンドの投与は行動異常や血中パラメーターの変化などの副作用を引き起こさなかった。これらのことから、統合失調症の病態メカニズムへのS1P受容体を介したシグナル経路の関与およびS1P受容体外因性リガンドの精神疾患治療薬候補の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症患者死後脳の脂質分析で明らかにしたスフィンゴ脂質含量の減少が、服薬の影響ではなく、病態メカニズムに関係するものである可能性を示した。このことから、スフィンゴ脂質代謝に関する研究が統合失調症の病態メカニズムの解明の一端を担う可能性が示唆された。また、S1P受容体外因性リガンドの投与が行動異常を改善すること、そして副作用を起こす可能性が低いことを明らかにし、S1P受容体リガンドを新たな精神疾患の治療薬候補として提案できるのではないかと考えられた。
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