研究課題
若手研究
強迫症(OCD)は現在の治療法では治療できない患者が多くおり、さらなる病態の理解と新たな治療法の開発が望まれている。グルタミン酸神経系に作用するNアセチルシステイン(NAC)は新規治療薬として期待されているが、効果メカニズムの詳細は解明されていない。これを解明するため、本研究ではOCD患者にNACによる12週間の治療を行い治療前後で脳MRI画像と末梢血グルタミン酸濃度のデータを取得した。強迫症状は試験開始前と比較して有意に改善した。血中グルタミン酸濃度は試験開始前と比較して有意に上昇した。構造MRI画像では有意な変化を認めなかった。拡散強調画像と安静時機能的MRI画像は解析中である。
NACの作用機序が明らかになることで、新たな作用機序のOCDの治療薬・治療法を開発できる可能性があり、またOCDに関連する他の精神疾患(強迫症関連症群に加えて摂食障害や依存症など)の治療法開発につながる可能性もある。NACは副作用がほとんどなく、さらに他のグルタミン酸系薬剤として治療効果の期待されているメマンチンの常用量(20 mg)の薬価が439.70円であるのに対してNACの常用量(2400 mg)の薬価は50~100円程度で安価である。新たな選択肢として、NACによる効果メカニズムが明らかになれば強迫症の治療が大きく前進する。
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