研究課題
若手研究
ヒト上皮細胞から分泌されるLCN2と菌が産生するSiderophoreの複合体は,過度の炎症から腸管細胞を保護することが知られている。本研究では、各種Siderophoreについて腸管保護作用のマーカー分子の発現誘導能を解析し、腸管保護作用を発揮するSiderophore Xを同定した。また、そのメカニズムは腸管上皮細胞の分化、成熟を促進することで発揮されていると示唆された。よってSiderophore Xは新規の炎症性腸疾患治療薬として臨床応用される可能性がある。
プロバイオティクスは宿主に有益な作用をもたらす微生物であり、古くから疾患の治療薬として応用可能ではないかと考えられてきた。近年は、糞便移植やプロバイオティクスの組み合わせ投与などにより、疾患を治療する研究が進められている。しかしながら、プロバイオティクスがどのようにして宿主細胞に作用するのかは不明な点が多い。本研究成果により、プロバイオティクス由来物質とヒト由来LCN2による複合体形成を介した新しいhost-microbe interactionの学術分野が創造されるとともに,この複合体を用いた新規腸炎治療薬開発の基盤的成果が得られる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)
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