研究実績の概要 |
全身性強皮症患者において胃排出能測定を行い、胃排出遅延と食道運動障害との関連性及び胃排出遅延と他臓器疾患との関連性を検討する研究を計画した。胃排出検査で国内未承認の13C標識化合物を使用することから、特定臨床研究として認定IRBの承認を得て、研究実施体制は整え、登録・実施を開始した。 COVID-19感染拡大の影響で、上記の呼気試験を用いた研究は感染リスクが高く、研究を完遂することができなかったため、全身性強皮症患者における食道運動障害と皮膚硬化および間質性肺炎との関連性を明らかにした(Kuribayashi S, et al. J Gastroenterol 2019 Nov;54(11):950-962.)。また、全身性強皮症患者における薬物治療抵抗性の逆流性食道炎の頻度とリスク因子を検討する研究を行い、UEGW2022で発表し、論文として発表した(Kuribayashis, et al. J Gastroenterol 2024 Mar;59(3):179-186.)。 また、全身性強皮症患者では食道の固有筋層の萎縮が認められることから、内視鏡治療を行う際には注意が必要であることを発表した(Kuribayashi S, et al. Gastrointest Endosc 2020; 91(2):441-442、Kuribayashi S, et al. Dig Endosc 2020; 32(7): 1116)。 なお、本研究に関係する食道運動障害を上部消化管内視鏡検査を用いて評価する方法についてまとめ、発表した(Kuribayashi S, et al. Dig Endosc 2021 Jul;33(5):744-745.)。また、本研究に関係する食道運動障害を来たす疾患として好酸球性食道炎に注目し、Red dichromatic imagingを用いた内視鏡評価に関して発表した(Kuribayashi S, et al. Gastrointest Endosc in press)。
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